この事件は、居宅の建替えに際して隣接地主に土地
の境界線の確認を求めたところ、境界石が角地と主
張されたことで境界確認を求めて訴えた事件です。
居宅は取得当初から土地の境界線上にブロック塀が
構築されておりブロック塀の真下には境界線の位置
を示す境界石が角地近くに埋設されておりました。
居宅は居住してから婚姻期間が20年以上経過した
配偶者に、居住用不動産の所有者から配偶者が居住
用不動産の贈与を受けた場合の贈与税の配偶者控除
の特例を受けて妻の所有になった居宅です
贈与後も引き続き居住する見込みであるときは、配
偶者の贈与所得から2千万円の配偶者控除を受ける
ことがができることを適用して、妻に贈与した居宅
なのです。
平成15年10月6日東京地方裁判所民事30部に
原告:妻・補佐人:夫、被告:隣接地主として提訴
しました。
請求の趣旨は次の通りです。
①原告土地の境界線は地籍測量図の通り確定する。
②境界石の位置は地籍測量図の角地点に移動するこ
とを確定する、
③訴訟費用は被告の負担とする。
平成15年11月7日付の被告答弁書には、
①土地の境界はブロック塀である、
②建売業者から土地の境界はブロック塀に囲まれた
範囲と説明をうけた。
と記されておりました。
隣地地主にはこれ迄、ブロック塀での境界線確認を
何度も申入れてきたのですが、頑なに応じてこなか
ったにもかかわらずです。
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原告には地籍測量図の境界線がブロック塀直下であ
ることの証明を裁判官から求められ、応じました。
原告は土地家屋調査士に依頼し、地籍測量を20万
円の支出をして、地籍測量図の境界線はブロック塀
直下であることを証明する地籍測量図面を裁判所に
提出いたしました。
平成16年5月25日に判決が下りました。
①原告土地と被告土地との境界は原告証拠の地籍測
量図面の通り確定する。
②訴訟費用は原告・被告折半とする。
原告は訴訟費用半分を被告に請求することは、今後
に禍根を残す懸念から請求をしませんでした。
今回の裁判で法律に素人の私人でも、裁判官の許可
があれば代理人・補佐人になることが出来ることを
知りました。
その後転居し、空家を自身が経営する不動産会社が
譲受け、空家を解体して更地にし、その上に建売住
宅を新築し、転売いたしました。
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